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アークタンジェント(arctan)の基本【微分・積分】がたったの1分で分かる!

アークタンジェントって一体なんなんだー!!

アークタンジェントって言葉を聞いたことはあるけど、「アークタンジェントって何?」って聞かれると、実際のところ困りませんか?なんとなく難しそうだから避けて通ってきてる人も多いんじゃないでしょうか。

みなさんが考えているよりも、そのしくみは単純で、高校数学の三角関数を学習したことがある人なら

誰でも理解できる

ので、1分だけ試しに読んでみてください。

あきらめるのは、まだはやーーーーーい!!!

アークタンジェントとは

そもそもアークタンジェントが何者かというと、簡単に言ってしまえばタンジェントの逆関数のことです。


ポイント1

\(y=tanx\) の逆関数を \(y=arctanx\) と表す

また、\(arctanx\) は \(tan^{-1}x\) と書くこともあります。

\(y=tanx\)において逆関数が存在する範囲は \(-\frac{\pi}{2}< x <\frac{\pi}{2}\) に限ります。理由は下記のグラフのところで説明します。

\(tanx\) は \(x\) という角度の直角三角形において、底辺と対辺の2辺の比を表していますが、\(arctanx\) はこの2辺の比に対しての角度 \(x\) を考えています。

具体例

\(tan\)に着目すると \(tan\)\((\frac{\pi}{4}) = 1\)

\(arctan\) に着目すると \(arctan 1= \frac{\pi}{4}\)

単に着目する点が、「角度に対応する2辺の比」なのか「2辺の比に対応する角度」なのかという問題で、状況は一切変わっていません。視点を変えてみただけなのですね。

次に2つのグラフを見てみましょう。


逆関数の関係にあるため、 \(y = x\) に関して対称になっていることが確認できます。

また、逆関数の存在定義は1対1であること。

よって、\(-\frac{\pi}{2}< x <\frac{\pi}{2}\) の範囲で\(y=tanx\)の逆関数が定義されます。

ちなみに、アークタンジェントという名前ですが、

\(arctan\) の 「\(arc\)」は数学では「」を意味し、

\(arctanx\) とは、\(tany=x\)になるような円弧の長さ \(y\) を返す関数である、

ということに由来しています。

アークタンジェントの微分

ポイント2

\(y=arctanx\) の微分は \(y’\)=\(\frac{1}{1+x^2}\)

証明:高校の知識だけで簡単に!

逆関数の性質から、\(y=arctanx\) を \(x=tany\) と書き換えることができるので、

\(\frac{dy}{dx}\) = \(\frac{1}{\frac{dx}{dy}}\)

= \(\frac{1}{\frac{1}{cos^2y}}\) ( \(x\) を \(y\) で微分した)

= \(cos^2y\) (式を整理した)

= \(\frac{1}{1+tan^2 y}\) (三角関数の基本性質 \(1+tan^2 x = \frac{1}{cos^2 x}\) より)

= \(\frac{1}{1+x^2}\) ( \(tany\) を \(x\) に置き換えた)

証明終了!!!どうだ、一瞬で終わっただろう!

アークタンジェントの積分

ポイント3

\(y=arctanx\) の積分は

\(\int\)\(arctanxdx\) = \(x\)\(arctanx\)\(-\frac{1}{2} log(1+x^2)\)\(+C\)

証明:高校の知識とさっきやった微分を使うだけ

\(\int\)\(arctanxdx\)

= \(\int 1 \cdot\)\(arctanxdx\) (あえて1を見える形にすることで、部分積分しやすくなる)

= \(x\)\(arctanx\)  \(-\int\)\(x\cdot\)\(\frac{1}{1+x^2}dx\) (アークタンジェントの微分を使った)

 ⇒ここで、 \(-\int\)\(x\cdot\)\(\frac{1}{1+x^2}dx\) を考える

\(log(1+x^2)\) の微分は \(\frac{2x}{1+x^2}\) である。よって、

\(-\int\)\(x\cdot\)\(\frac{1}{1+x^2}dx\) (便宜上式を変形した)

\(= -\frac{1}{2} \int \frac{2x}{1+x^2}dx\) (上記のとおり微分した)

\(=-\frac{1}{2} log(1+x^2) +C\) となる。

ゆえに、  \(x\)\(arctanx\)  \(-\int\)\(x\cdot\)\(\frac{1}{1+x^2}dx\) = \(x\)\(arctanx\)\(-\frac{1}{2} log(1+x^2)\)\(+C\)

証明終了!微分の公式を覚えておかないと出来ないから注意!

まとめ

いかがでしたでしょうか。

微分と積分の証明は高校の学習範囲でできるので、思ったよりも簡単だったのではないでしょうか。

少しだけアークタンジェントについて分かった気がしませんか?

「アークタンジェントって使い道あるの?」

って思う方もいるかもしれませんが、積分の計算時に使うとずいぶん楽になる場合があるんですよね・・・・今のところ思いつくのはそれだけです。

是非これをきっかけに三角関数だけでなくその逆関数にも目を向けてみてくださいね。

とってもわかりやすい説明動画がありましたので、紹介しておきます。

実際の計算例を見たい方はこちらから:

3 COMMENTS

大学数学講師ケント

内容修正いたしました。
今後も何かありましたらご連絡くださいませ。

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kaz

骨董品のレタースケールの仕組みを理解するのに役立ちました。
あんな古い物に三角関数が使われていて、しかも軽いものほど高精度に測れるなんて驚きでした。

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松沢 英明 へ返信する コメントをキャンセル

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