全微分の定義と公式【基礎から丁寧に学ぼう!】

今回のテーマは「全微分」です。

以前偏微分についてはご紹介しました。

[topic color=”green” title=”参考ページ”]

偏微分の定義と公式【基礎から丁寧に学ぼう!】

偏微分の具体的な計算方法を詳しく!【基礎計算とシュワルツの定理】[/topic]

 

全微分も大学数学では、とても重要な定義ですので、しっかりと勉強しておきたいですね。

[voicel icon=”https://univ-study.net/wp-content/uploads/2022/05/2205042137.jpg” name=””]偏微分はできたし、全微分も頑張るぞー!![/voicel]

[voicer icon=”https://univ-study.net/wp-content/uploads/2022/05/2205042119.jpg” name=””]お!今日はめずらしくやる気だな!さあ、偏微分に続き全微分もやってみよう![/voicer]

全微分とは

2変数関数 \(z=f(x,y)\) に対し、各変数方向への偏微分と無限小の積をすべての変数について加えたものを \(z\) の全微分といいます。

[topic color=”yellow” title=”ポイント1”]

2変数関数 \(z=f(x,y)\) の全微分は

\(df=\frac{∂f}{∂x}dx+\frac{∂f}{∂y}dy\)

[/topic]

 

この場合、\(\frac{∂f}{∂x},\frac{∂f}{∂y}\) の偏微分はそれぞれの方向の傾きを示しており、\(dx,dy\) はそれぞれの \(x\) 方向、 \(y\) 方向の非常に小さい長さを示しています。このことから、\(df\) は全体の傾きを示していることがわかります。

全微分が可能なのは、

2変数関数 \(z=f(x,y)\) がある領域 \(D\) の内部で偏微分可能であり

かつ

\(x\) および \(y\) についての偏導関数 \(\frac{∂f}{∂x},\frac{∂f}{∂y}\) がともに連続であるとき

です。

このときに、関数 \(f\) は連続微分可能であるといい、全微分を考えることができます。

別ページの接平面の話も出てきますが、実は、その接平面の傾きを求めるのが全微分にあたります。

 

具体的な計算

それでは、さっそく具体的に計算してみましょう。

 \(z=x^3y^2\) のとき、全微分を求めよ

それぞれの偏微分は

\(\frac{∂z}{∂x}=3x^2y^2,\frac{∂z}{∂y}=2x^3 y\)

となるため、全微分は

\(dz=3x^2 y^2 dx +2x^3 ydy\)

 

[voicel icon=”https://univ-study.net/wp-content/uploads/2022/05/2205042138.jpg” name=””]めっちゃ簡単じゃん!偏微分したものを足すだけなんだ。いけるいける![/voicel]

 

全微分の変数変換

また、全微分が可能な \(z=f(x,y)\) について、以下の変数変換が可能となります。

[topic color=”yellow” title=”ポイント2”]

(ⅰ)\(x=x(t),y=y(t) \)で\(x,y\) が共に \(t\) で微分可能であるとき

\(\frac{dz}{dt}=\frac{∂z}{∂x}\cdot \frac{dx}{dt}+\frac{∂z}{∂y}\cdot \frac{dy}{dt}\)

(ⅱ)\(x=x(u,v),y=y(u,v)\)で\(x,y\) が共に\(u,v\) で微分可能であるとき

\(\frac{∂z}{∂u}=\frac{∂z}{∂x}\cdot \frac{∂x}{∂u}+\frac{∂z}{∂y}\cdot \frac{∂y}{∂u}\)

\(\frac{∂z}{∂v}=\frac{∂z}{∂x}\cdot \frac{∂x}{∂v}+\frac{∂z}{∂y}\cdot \frac{∂y}{∂v}\)[/topic]

 

例 \(x=ht,y=kt\) (\(h,k\):定数) のとき、\(\frac{dz}{dt}\) を求めよ。

さきほどの(ⅰ)を使います。

\(x=ht,y=kt\) より、\(\frac{dx}{dt}=h, \frac{dy}{dt}=k\)である。よって

 \(\frac{dz}{dt}=\frac{∂z}{∂x}\cdot \frac{dx}{dt} + \frac{∂z}{∂y}\cdot \frac{dy}{dt}\)

\(=-2xe^{-x^2 -y^2}\cdot h -2ye^{-x^2 -y^2}\cdot k\)

\(=-2(h^2 +k^2)te^{-(h^2+k^2)t^2}\)

[voicel icon=”https://univ-study.net/wp-content/uploads/2022/05/2205042131.jpg” name=””]なるほど!(ⅱ)もどっかでみたことあると思ったけど、ヤコビのときに出てきた形だね![/voicel][topic color=”green” title=”参考ページ”]

ヤコビアンとは?【定義と具体例+覚え方】す・べ・て紹介します!!

[/topic]

全微分は結構いろいろな場面で出てくるので、しっかり学習しておきたいですね。

 

[voicer icon=”https://univ-study.net/wp-content/uploads/2022/05/2205042118.jpg” name=””]全微分は何に使うかというと、近似値を求めるときに使われることが多いんだ。[/voicer]

というわけで、最後にもう1つ具体例を書いておきます。

 

全微分を利用して\(\sqrt{2.95^2 + 4.03^2}\) の近似値を求めよ

\(f(x,y)=\sqrt{x^2 + y^2} \) とすると、\(\frac{∂z}{∂x}=\frac{x}{\sqrt{x^2 +y^2}},\frac{∂z}{∂y}=\frac{y}{\sqrt{x^2 +y^2}}\)

\(f(x+Δx,y+Δy)≒f(x,y)+\frac{∂z}{∂x} Δx +\frac{∂z}{∂y} Δy\) より

\(x=3,y=4,Δx=-0.05,Δy=0.03\)

よって\(f(2.95,4.03)≒f(3,4) +\frac{3}{5} (-0.05) +\frac{4}{5}(0.03)\)

\(=5-0.03 +0.024=5-0.006=4.994\)

 

こちらの動画を参考にしました。日本語ではないですが、勉強になります。

2 COMMENTS

t

記事に間違えありすぎじゃない?出す前にチェックしたり、直したほうがいいよ

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大学数学講師ケント

申し訳ございません。ご指摘ありがとうございます。
内容修正いたしました。
今後も何かありましたらご連絡くださいませ。

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