[voicel icon=”https://univ-study.net/wp-content/uploads/2022/05/2205042128.jpg” name=””] \(e^x\) のマクローリン展開なんて意味わかんないよー・・・やりたくなーい!![/voicel]
なんだかモチベーションが下がってしまっているようです。
[voicer icon=”https://univ-study.net/wp-content/uploads/2022/05/2205042121.jpg” name=”“]コラコラーーーーーーー! 簡単にあきらめるんじゃない!!![/voicer]
実際やってみると \(e^x\) のマクローリン展開って意外に簡単なんですよ!
「\(e^x\) のマクローリン展開」というのは、なんのこっちゃと思うかもしれませんが、ただ単に、
\(f(x)=e^x\)
の場合でのマクローリン展開のことを指しているだけなんです。
公式も結構キレイな形なんですよね~・・・
\(e^x\) のマクローリン展開の公式
公式は、マクローリン展開の公式に \(f(x)=e^x\) を対応させて計算した結果をまとめただけなんですよ。
まずはその公式から紹介します。
[topic color=”yellow” title=”ポイント1”]
\(e^x\) のマクローリン展開は \(e^x=\)\( 1 + \frac{1}{1!} x +\)\(\frac{1}{2!}x^2 \)\(+ \cdots\) と表される
[/topic]
ちなみに証明も超がつくほど簡単です。
超がつくほど簡単な証明
さて、まずはマクローリン展開の復習からいきましょう。マクローリン展開の公式は前回、
\(f(x)= f(0)+\frac{f'(0)}{1!}x+\frac{f”(0)}{2!}x^2+\cdots \)\( = \sum_{n=0}^{\infty}\frac{f^{(n)}(0)}{n!}x^n\)
と表されることを勉強しましたね。
[voicel icon=”https://univ-study.net/wp-content/uploads/2022/05/2205042135.jpg” name=””]
う~ん。そういえば、2つ式があるけど・・・
こういうときはどっちを使えばいいんだ?[/voicel]
[voicer icon=”https://univ-study.net/wp-content/uploads/2022/05/2205042118.jpg” name=””]
実際に計算するときは、\(f(x)= f(0)+\frac{f'(0)}{1!}x+\frac{f”(0)}{2!}x^2+\cdots \)
を使うんだ!代入しやすいからな。[/voicer]
ちなみに公式として書くときは、\(f(x)=\sum_{n=0}^{\infty}\frac{f^{(n)}(0)}{n!}x^n\) が一般的です。ここでは使いやすいようにあえて両方書いています。
数学では基本的にまとめられるものや、簡潔に書くことが出来るものは最も簡潔な形で書くのが美徳とされています。
それではこの式に、\(f(x)=e^x\) を対応させていきましょう。
\(f(x)=e^x\) より \(f(0)=e^0=1\)
\(f'(x)=e^x\) より \(f'(0)=e^0=1\)
\(f^{\prime\prime}(x)=e^x\) より \(f^{\prime\prime}(0)=e^0=1\)
以下も同様にして、任意の自然数\(n\)について \(f^n(x)=e^x\) なので、 \(f^n(0)=1\) ですね。
よってこれらをマクローリン展開の公式に代入すると、
\(f(x) = e^x = 1+\frac{1}{1!} x + \frac{1}{2!} x^2 + \cdots\)
[voicer icon=”https://univ-study.net/wp-content/uploads/2022/05/2205042119.jpg” name=””]これで証明は終わりだな。本当に超がつくほど簡単にできたな![/voicer]
「・・・」はどう使う?
[voicel icon=”https://univ-study.net/wp-content/uploads/2022/05/2205042131.jpg” name=””]
やったー!いいこと思いついちゃったぞ!「・・・」が使えるから
\(e^x = 1+\frac{1}{1!} x +\cdots\) のほうがもっと省略できていい感じだ!
[/voicel]
[voicer icon=”https://univ-study.net/wp-content/uploads/2022/05/2205042116.jpg” name=””]よく考えろ。それだけだと第3項以降の法則が全く定まっていないだろうが![/voicer]
はい、そうなんですね。第2項までだとだめなんです。なぜかというと・・・
\( 1+\frac{1}{1!} x + 1+\frac{1}{1!} x + \cdots \)
という式でも第2項までで省略したら \( 1+\frac{1}{1!} x +\cdots\) と表わすことが出来てしまうからなんです。
この辺は「数列」を勉強した方ならなんとなく理解できるのではないでしょうか。数学では規則性が明らかになるところまでは、実はちゃんと書くようになっているんですね。
こういった関数では、たいてい第3項まで書けば、規則性が固まるので、「・・・」で省略しても問題ないとされています。
[voicel icon=”https://univ-study.net/wp-content/uploads/2022/05/2205042132.jpg” name=””]やべぇ!そうだったのか。「・・・」で今までやたら省略しちゃってたよ![/voicel][topic color=”yellow” title=”ポイント2”]
「・・・」を使うときには、第3項までは書く[/topic]
いかがでしたでしょうか。\(e^x\) のマクローリン展開は公式も割と覚えやすいでしょうし、証明に関してはやっぱり超がつくほど簡単でしたね。ただし、「・・・」の使い方だけ注意したいところです。
図形的にみたい方はこちらの動画を参考にしてみてください