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理系大学生の数学駆け込み寺

複素フーリエ級数展開とは?普通のフーリエとどう違うの?

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浪人の末に後期試験で男だらけの工業大学に進学した。勉強はほどほどにサークルで女子と楽しい大学生活を送ると思いきや、まともに話せずに1年間女子話さずに童貞を継続。「このままでは一生童貞だ」と思い大学1年の春に、、、

これまで普通の、つまり実数のフーリエ級数展開を中心に説明してきましたが、実数のフーリエ級数からオイラーの公式を使うと複素フーリエ級数が導出できます。ここでポイントはオイラーの公式です。オイラーの公式は数学の数ある公式の中で最も美しい公式ともいわれている有名な公式です。

オイラーの公式か。たしか指数関数と三角関数の関係だったような……。

理系大学生ケイスケ

 

今回はオイラーの公式さえ知っていれば簡単に複素フーリエ級数展開が導出できるんだ。

先生

とはいえ、複素フーリエ級数もこれまでにさらりとですが触れてきました。今回は、複素フーリエ級数の導出を深く掘り下げての説明をしてゆきます。

 

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オイラーの公式

さあ、ケイスケくん、まず、オイラーの公式を覚えてゐるかな。

先生

 

いやあ、先生、うろ覚えで忘れちゃった。

理系大学生ケイスケ

オイラーの公式はあまりに有名で、理系の数学ではあらゆる場面で登場してくる大変重要な公式なのです。それは

$$\mathrm{e}^{ix} = cos\,x + i\,sin\,ix$$

ですね。今回のポイントは全てオイラーの公式に集約されます。上記の式から次の式が導出できます。

 

$$cos\,x = \frac{1}{2}\left(\mathrm{e}^{ix} + \mathrm{e}^{-ix}\right)\tag{1}$$

$$sin\,x = \frac{1}{2i}\left(\mathrm{e}^{ix} – \mathrm{e}^{-ix}\right)\tag{2}$$

 

 

これさえ導出できれば後は実数のフーリエ級数展開に代入するだけです。

 

複素フーリエ級数展開

ケイスケくん、実数のフーリエ級数展開は覚えているね。

先生

はい。

理系大学生ケイスケ

 

フーリエ級数展開は次のとおりです。

$$f(x) = \frac{a_0}{2} + \sum_{n=1}^{\infty}\left[ a_n\,cos\left(\frac{2\pi}{L}nx\right) + b_n\,sin\left(\frac{2\pi}{L}nx\right)\right]\tag{3}$$

そして、係数$$a_nとb_n$$は次のとおりです。

$$a_n = \frac{2}{L}\int_{0}^{L} f(x)cos\left(\frac{2\pi}{L}nx\right)dx\tag{4}$$

$$b_n = \frac{2}{L}\int_{0}^{L}f(x)sin\left(\frac{2\pi}{L}nx\right)dx\tag{5}$$

 

それではいよいよ複素フーリエ級数です。実数のフーリエ級数展開の(3)に(1)と(2)を代入します。

 

$$\begin{align*}f(x) \ &=\ \frac{a_0}{2} \ +\ \sum_{n=1}^{\infty} \bigg[ a_n \cos \left( \frac{2\pi}{L} n x \right)\ +\ b_n \sin \left( \frac{2\pi}{L} n x \right) \bigg] \\ &=\ \frac{a_0}{2} \ +\ \sum_{n=1}^{\infty} \bigg[ \frac{a_n}{2} \left( e^{i\frac{2\pi}{L} n x} + e^{-i \frac{2\pi}{L} n x} \right)\ -\ i \, \frac{b_n}{2} \left( e^{i \frac{2\pi}{L} n x} – e^{-i \frac{2\pi}{L} n x} \right) \bigg] \\ &=\ \frac{a_0}{2} \ +\ \sum_{n=1}^{\infty} \bigg[ \frac{a_n – i\,b_n}{2} \, e^{i \frac{2\pi}{L} n x} \ +\ \frac{a_n + i\,b_n}{2} \, e^{-i \frac{2\pi}{L} n x} \bigg] \\ &=\ \frac{a_0}{2} \ +\ \sum_{n=1}^{\infty} \frac{a_n – i\,b_n}{2} \, e^{i \frac{2\pi}{L} n x} \ +\ \sum_{n=1}^{\infty} \frac{a_n + i\,b_n}{2} \, e^{-i \frac{2\pi}{L} n x} \\ &=\ \frac{a_0}{2} \ +\ \sum_{n=1}^{\infty} \frac{a_n – i\,b_n}{2} \, e^{i \frac{2\pi}{L} n x} \ +\ \sum_{n=-1}^{-\infty} \frac{a_{-n} + i\,b_{-n}}{2} \, e^{i \frac{2\pi}{L} n x} \end{align*}$$

先生、最後のところがどうしてそうなるのかわかりません。

理系大学生ケイスケ

そう、最後のところは辻褄を合わせるために力業を使ったんだ。

先生

 

$$ \sum_{n=-1}^{-\infty} \frac{a_{-n} + i\,b_{-n}}{2} \, e^{i \frac{2\pi}{L} n x} $$

 

ここは、第一項と第二項の指数関数を同じにするためにちょっとわかりにくいことをしています。しかし、最後のところがそのすぐ上の式と同じことを意味しているのはわかるはずです。どうしてこのようなことをしたのかは次に説明するとおりです。

 

$$\begin{align*}c_n \ &\equiv\ \begin{cases}\frac{1}{2}(a_n – i\,b_n) & (n>0) \\[4pt]\frac{1}{2}(a_{-n} + i\,b_{-n}) & (n\lt 0)\end{cases} \\[3pt]c_0 \ &\equiv\ \frac{a_0}{2} \end{align*}$$

 

が成り立つと仮定します。そうすると、上記の式の続きを行いますと、

 

$$\begin{align*}f(x) \ &=\ c_0 \ +\ \sum_{n=1}^{\infty} c_n \, e^{i \frac{2\pi}{L} n x} \ +\ \sum_{n=-1}^{-\infty} c_n \, e^{i \frac{2\pi}{L} n x} \\&=\ \sum_{n=-\infty}^{\infty} c_n \, e^{i \frac{2\pi}{L} n x} \end{align*}$$

 

何だあ!? あんなに複雑だったものがとってもシンプルになっちゃったぞ!

理系大学生ケイスケ

 

本当にスッキリしましたね。あの力業はこのためだったのです。指数関数を合わせることでとってもシンプルになりました。

 

さて、ここでさらに突っ込んでみる$$c_nもa_nとb_n$$から指数関数で表せるのです。まず、n > 0の場合を見てみましょう。

$$\begin{align*}c_n \ &=\ \frac{a_n – i\,b_n}{2} \\&=\ \frac{1}{2} \frac{2}{L} \int^L_0 f(x) \, \bigg[ \cos \left( \frac{2\pi}{L} n x \right) \ -\ i\,\sin \left( \frac{2\pi}{L} n x \right) \bigg] dx\\&=\ \frac{1}{L} \int^L_0 f(x) \, e^{-i \frac{2\pi}{L} n x} dx\end{align*}$$

 

次にn < 0の場合を行います。

 

$$\begin{align*}c_n \ &=\ \frac{a_{-n} + i\,b_{-n}}{2} \\&=\ \frac{1}{2} \frac{2}{L} \int^L_0 f(x) \, \bigg[ \cos \left( -\frac{2\pi}{L} n x \right) +\ i\,\sin \left( -\frac{2\pi}{L} n x \right) \bigg] dx \\&=\ \frac{1}{L} \int^L_0 f(x) \, \bigg[ \cos \left( \frac{2\pi}{L} n x \right) -\ i\,\sin \left( \frac{2\pi}{L} n x \right) \bigg] dx \\&=\ \frac{1}{L} \int^L_0 f(x) \, e^{-i \frac{2\pi}{L} n x} dx\end{align*}$$

 

どちらも同じ結果になりました。それではn = 0のときはどうでしょうか。

 

$$\begin{align*}c_0 \ =\ \frac{a_0}{2} \ =\ \frac{1}{2} \frac{2}{L} \int^L_0 f(x) dx \ =\ \frac{1}{L} \int^L_0 f(x) dx\end{align*}$$

 

これは$$c_n =にn = 0を代入$$したときと同じですね。つまり、

 

$$\begin{align*}c_n \ =\ \frac{1}{L} \int^L_0 f(x) \, e^{-i \frac{2\pi}{L} n x} dx \tag{6}\end{align*}$$

 

複素フーリエ級数はこの$$c_n$$を使えば、

 

$$\begin{align*}f(x) \ =\ \sum_{n=-\infty}^{\infty} c_n \, e^{i \frac{2\pi}{L} n x} \tag{7}\end{align*}$$

 

で表せるのです。なんとスッキリしたことか!

まとめ

実数のフーリエ級数から複素フーリエ級数導出されました。それはちょっと数学的な力業を用いましたが、複素フーリエ級数シンプルな形になるということを見通してのことです。

 

最初に結論ありきはいけないのですが、複素フーリエ級数に関して実数のフーリエ級数からどう導出されるのか書いてある参考書があまりにも少ないので、どのように導けばいいのか、その道筋をここで説明してみました。

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