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理系大学生の数学駆け込み寺

リーマン・ルベーグの補助定理の証明をサクッとやってみた

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浪人の末に後期試験で男だらけの工業大学に進学した。勉強はほどほどにサークルで女子と楽しい大学生活を送ると思いきや、まともに話せずに1年間女子話さずに童貞を継続。「このままでは一生童貞だ」と思い大学1年の春に、、、

$$\newcommand {\diff}{\mathrm{d}}$$

フーリエ級数の中でもよく知られた定理としてリーマン・ルベークの補助定理というものがあります。これはなにかというと、ある区分が連続ならば、ある積分が0に収束するというものなのです。これではなんのことかさっぱりわかりませんね。

 

百聞は一見如かずといいますので、実際にどんな積分が0に収束するのかを見てゆきたいと思います。それがリーマン・ルベーグの補助定理です。

 

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リーマン・ルベーグの補助定理とは

リーマン・ルベーグの補助定理とは次のとおりです。

 

リーマン・ルベーグの補助定理

実フーリエ級数で考えれば、次のとおりです。

$$f(x)が区間[a, b]で連続ならば次式が成り立ちます。$$

$$\lim_{n \to \infty}\int_{a}^{b}f(x)\sin\,\alpha x\,\diff x = 0\tag{1}$$

$$\lim_{n \to \infty}\int_{a}^{b}f(x)\cos\,\alpha x\,\diff x= 0\tag{2}$$

複素フーリエ級数で考えれば、次のとおりです。

$$f(x)が区間[a, b]で区分的に連続ならば次式が成り立ちます。$$

$$\lim_{n \to \pm \infty}\int_{a}^{b}f(x)\mathrm{e}^{-inx}\,\diff x = 0\tag{3}$$

 

証明1

(1)の証明

まず、[a, b]でf(x)が連続ということからf(x)は次のように定義できます。ただし、Mは任意の正の整数です。

$$|f(x)| < M$$

ここで[a, b]をn等分します。つまり、

$$a < x_1 < x_2 < \cdots < x_n < x_{n+1} < b$$

また、

$$\Delta x = x_n+1 \ x_n、つまり、n・\Delta x = b \,-\, aとします。$$

(1)の左辺の絶対値を考えますと、

$$\begin{align*}\begin{array}{|}\displaystyle\int_{a}^{b}f(x)sin \,\alpha x \diff x\end{array}    \\  = \begin{array}{|}\displaystyle\sum_{k=1}^{n}\int_{x_k}^{x_{k+1}}f(x)sin \,\alpha x \diff x\end{array} \\ ≦ \sum_{k=1}^{n}\begin{array}{|}\int_{x_k}^{x_{k+1}}f(x)\sin\,\alpha x \diff x\end{array}\end{align*}$$

ここで少し細工をします。

$$\begin{align*}=\sum_{k=1}^{n}\begin{array}{|}\int_{x_k}^{x_{k+1}}\left\{(f(x) – f(x_k))+ f(x_k)\right\}\sin\,\alpha x \diff x\end{array} \\ ≦ \sum_{k=1}^{n}\begin{array}{|}\int_{x_k}^{x_{k+1}}\left\{f(x) – f(x_k)\right\}\sin\,\alpha\,x \diff x\end{array} + \begin{array}{|}f(x_k)\int_{x_k}^{x_{k+1}}\sin\,\alpha x \diff x\end{array} \\ ≦ \sum_{k=1}^{n}\int_{x_k}^{x_{k+1}}\begin{array}{|}f(x) – f(x_k)\end{array} \times\begin{array}{|}\sin\,\alpha\,x \diff x\end{array} + |f(x_k)|\times\begin{array}{|}\int_{x_k}^{x_{k+1}}\sin\,\alpha x \diff x\end{array} \\ = \sum_{k=1}^{n}\left\{\int_{x_k}^{x_{k+1}}\begin{array}{|}f(x) – f(x_k)\end{array}\diff x + M\begin{array}{|}\int_{x_k}^{x_{k+1}}\sin\,\alpha x \diff x\end{array}\right\}\end{align*}$$

 

これは$$|\sin\,\alpha x| ≦ 1$$と$$|f(x) ≦ M$$から導き出せます。

 

ここで、

$$\begin{align*}M\begin{array}{|}\int_{x_k}^{x_{k+1}}\sin\,\alpha x \diff x\end{array}& = \begin{array}{|} – \frac{M}{\alpha}\bigg[\cos\,\alpha x\bigg]_{x_k}^{x_{k+1}}\end{array} \\ & = \frac{M}{\alpha}\begin{array}{|}\cos \,\alpha x_{k+1} – \cos\,\alpha x_k\end{array} \\ & ≦ \frac{M}{\alpha}\left(|\cos\,\alpha x_{k+1}| + |\cos\,\alpha x_k|\right) \\ & ≦ \frac{2M}{\alpha}\end{align*}$$

 

ここで、ε-N論法の出番です。

ε-N論法

任意の正数εが与えられたとき、ある自然数n0

n >n0のとき、$$|\alpha -a_0| < ε$$となるように選べます。

このとき$$数列{a_n}は\alphaに収束する$$といいます。

(1)の証明の続き

論理式で書くと

$$\begin{align*}\forall\epsilon > 0,\exists N> 0\,\,\,\,\, s.t \,\,\,\,\,n ≧ N \longleftrightarrow |f(x) – f(x_k)| < ε \\ & (k = 1, 2, 3, \cdots , n)\end{align*}$$

$$この場合のxは、x_k < x < x_{k+1}の間の任意の実数です。$$

これは任意のεで成り立つならば限りなく0に近いεでも成り立つという意味です。

すると、

$$\begin{align*}\begin{array}{|}\int_{a}^{b}f(x)\sin\,\alpha x \diff x\end{array} ≦ \sum_{k=1}^{n}\left(\int_{x_k}^{x_{k+1}}ε\diff x + \frac{2M}{\alpha}\right) \\ = \sum_{k=1}^{n}ε\left[x\right]_{x_{k+1}}^{x_k} + \sum_{k=1}^{n}\frac{2M}{\alpha} \\  = ε\sum_{k=1}^{n}\Delta x + \frac{2Mn}{\alpha} \\ = ε(b – a) + \frac{2Mn}{\alpha}\end{align*}$$

$$\begin{align*}\lim_{\alpha \to \infty}\begin{array}{|}\int_{a}^{b}f(x)\sin\,\alpha x \diff x\end{array} ≦ \lim_{\alpha \to \infty}\left\{ε(b – a) + \frac{2Mn}{\alpha}\right\} = ε(b – a)\end{align*}$$

ε(b – a)は限りなく0に近いεでも成立します。よって上記の式は任意の正数εでも成立しますので、

$$\lim_{\alpha \to \infty}\begin{array}{|}\int_{a}^{b}f(x)\sin\,\alpha x \diff x\end{array} = 0$$が導かれるのです。同様に、

$$\lim_{\alpha \to \infty}\begin{array}{|}\int_{a}^{b}f(x)\cos\,\alpha x \diff x\end{array} = 0$$

も成り立ちます。

 

証明2

(3)の証明

まず、(3)からイメージできるのは、周波数が無限に大きくなるとフーリエ係数は0に収束する」ということを意味しています。これは(1)と(2)にもいえることです。つまり、波が十分に細かければ、波の山と谷で打ち消しあって、積分すると消えてしまうということが直感的にわかると思います。

 

それでは証明しましょう。

 

まず、

$$F = \int_{a}^{b}f(x)\mathrm{e}^{-inx}\diff x\tag{4}$$

と置きます。この積分で$$x = t + \frac{\pi}{n}$$と置換すると、$$\diff x = \diff n$$で、$$x = aのときt = a – \frac{\pi}{n}、x = bのときt = b – \frac{\pi}{n}$$となりますので、

$$\begin{align*}F & = \int_{a-\frac{\pi}{n}}^{b – \frac{\pi}{n}}f(t + \frac{\pi}{n})\mathrm{e}^{-in(t + \frac{\pi}{n})}\diff  t \\ & = \int_{a-\frac{\pi}{n}}^{b – \frac{\pi}{n}}f\left(t + \frac{\pi}{n}\right)\mathrm{e}^{-inx}\mathrm{e}^{-in\frac{\pi}{n}} \diff t \\ & = -\int_{a-\frac{\pi}{n}}^{b \ \frac{\pi}{n}}f(t + \frac{\pi}{n})\mathrm{e}^{-int} \diff t\tag{5}\end{align*}$$

積分変数は何でもいいのでxにします。(4)と(5)の和をとると

$$\begin{align*}2F= \int_{a}^{b}f(x)\mathrm{e}^{-inx}\diff x-\int_{a-\frac{\pi}{n}}^{b \ \frac{\pi}{n}}f(t + \frac{\pi}{n})\mathrm{e}^{-int} \diff t \\ = -\int_{a- \frac{\pi}{n}}^{a}f(t + \frac{\pi}{n})\mathrm{e}^{-inx} \diff x + \int_{a}^{b-\frac{\pi}{n}}\left\{f(x) – f(x + \frac{\pi}{n})\right\} \mathrm{e}^{-inx} \diff x + \int_{b-\frac{\pi}{n}}^{b}f(x)\mathrm{e}^{-inx} \diff x\end{align*}$$

上式の第一項と第三項は、$$n \to \inftyのとき、積分区間の幅が0になるので、第一項と第三項は0です。$$また、第二項ですが、これも$$n \to \inftyのとき、f(x) – f(x -\frac{\pi}{n})は0になります。$$よって(3)は証明できました。

 

以上がリーマン・ルベーグの補助定理でです。

先生、今回はちょっと難しかったです。途中の小細工のあたりがなぜそうするのかいまひとつわからないです。

理系大学生ケイスケ

リーマン・ルベーグの補助定理は、しかし、これから学ぶフーリエ変換でその無限遠では消えるということを暗示していて、とても大切なことを示しているんだ。証明するには少し難しいかもしれないけれども、まだ、大学数学ではリーマン・ルベーグの補助定理は簡単なほうだから、一つずつ論理を追って納得するまで考えてみてくださいね。

先生

まとめ

今回はフーリエ級数の中のフーリエ係数極限を求めてみたならば、0になるということがわかりました。その証明には多少の小細工を施して導きました。これをリーマン・ルベーグの補助定理といいます。

 

これはなにを意味しているのかというと、周波数が高くなると波の山と谷は互いに打ち消しあってそれを積分すれば0になるということです。そして、リーマン・ルベーグの補助定理を知っていると極限値を求めるときの大きな武器になりますので、しっかりと覚えておいてください。

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