周期関数と聞いて果たしてどんな関数を思い浮かべますか?
周期という言葉があるので、ある周期で繰り返し同じ現象が起きる関数というものを想像すると思います。
それではそれを数学的に定義するとどうなるのか、ということをここでは説明したいと思います。
また、偶関数と奇関数とは一体どんな関数のこととを指しているのかということも合わせてみてゆきたいと思います。
周期関数の定義とは?
この定義で何をいっているのかわかる人は、多少数学がわかる人で、普通ならばちんぷんかんぷんだと思います。
上記の図を見ると多少複雑な波形をしていますが、周期的に繰り返していることがわかると思います。
このようなものを表したものを周期関数といいます。
周期関数はフーリエ解析で重要ですので理解しておくべきものです。
とはいっても、周期関数の定義からではまだ、なんともいいがたいでしょう。
さらに続けます。
周期関数の定義から正数nに対して
$$f(x + nT) = f(x) (n = 1, 2, 3, ……)$$
が成り立ちます。
$$つまり、何をいっているかというと2T,3T,……でもまた、周期関数なのです。$$
さらに続けます。
$$f(x)とg(x)が周期関数ならばその1次結合af(x) + bg(x)もまだ周期関数なのです。$$
ここまで、書いてきましたが、周期関数の代表格は三角関数です。
三角関数ならば、フーリエ解析がその視野に入ることは肝に銘じておいてください。
偶関数と奇関数とは?
$$たとえばaを定数としてcos(ax)は偶関数、sin(ax)は奇関数です。$$
また、
$$\int_{-M}^{M} g(x)h(x) dx = 2\int_{0}^{M}g(x)h(x) dx,$$
$$\int_{-M}^{M}h(x) dx = 0$$
が成り立ちます。
これが非常に大切なのです。
フーリエ級数において偶関数、奇関数ということが決定的な意味を持ち、フーリエ級数をご存じの方ならば、フーリエ級数展開でフーリエ余弦級数とフーリエ正弦級数があるのにピンとくるはずです。
フーリエ余弦級数とフーリエ正弦級数をこれからのためにここで取り上げます。
フーリエ余弦級数とフーリエ正弦級数における偶関数と奇関数
まず、フーリエ級数展開を思い出してください。
$$\frac{a_0}{2}+\sum_{n=1}^{∞}(a_n cos(nx) + b_n sin(nx))$$
でしたよね。
$$上記をf(x)とすると、つまり、$$
$$f(x) = \frac{a_0}{2}+\sum_{n=1}^{∞}(a_n cos(nx) + b_n sin(nx))$$
とすれば、
$$f(x)が偶関数、または奇関数ならば、フーリエ係数a_n,b_nのどちらか一方は0になります。$$
$$f(x)が偶関数ならば、f(x)sin(nx)は奇関数です。$$
そのため、
$$b_n = \int_{-M}^{M} f(x) sin(nx) dx = 0$$
となります。
$$ゆえに、偶関数f(x)のフーリエ級数は、cosの項だけが残ります。$$
$$周期を2\piとすると$$
$$a_n = 2\int_{0}^{\pi} f(x)cos (nx) dx,(n = 1, 2, 3, ……)$$
これをフーリエ余弦級数といいます。
$$一方でf(x)を奇関数とすれば、sinの項だけ残ります。$$
$$上記と同様に周期を2\piとすれば、$$
$$b_n = 2\int_{0}^{\pi} f(x) sin(nx) dx,(n = 1, 2, 3, ……)$$
これをフーリエ正弦級数といいます。
動画の紹介
大学の講義の動画ですが、参考になればと思います。
まとめ
ここでは周期関数、そして、偶関数と奇関数を定義し、最終的にはフーリエ級数展開のフーリエ余弦級数とフーリエ正弦級数へとたどり着きましたが、ハードだったかも知れません。
ただし、周期関数も偶関数も奇関数もほぼフーリエ解析に行き着きます。
周期関数、偶関数、そして奇関数はわかったと思います。
そこから先のフーリエ級数に関しては、またの機会に詳しく説明しますので、ここでは読み飛ばしても構いません。
ただ、周期関数、偶関数、そして奇関数というものを知っていれば、フーリエ解析の理解に大いに役立つということは抑えておいてください。