三角関数の積分公式を一覧にまとめてみた
三角関数に関しては、高校生のときはなぜ勉強しなければならないのか心のどこかでいつも疑問を持ちながらも、試験があるから仕方なく丸暗記した人が多いのではないかと思います。しかし、三角関数は大学で理系コースを選んだ人のみならず、経済学部を選んだ人もいやというほどに遭遇します。つまり、三角関数はそれだけ大切だということです。
どう大切かはすでにわかっていると思います。そこでここでは三角関数の積分公式を一覧にしてまとめてみました。その証明はひとつひとついたしませんが、どの積分公式も非常に大切ですので、高校数学を復習するつもりでひとつひとつ思い出してみてください。
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三角関数の基本的な積分
$$まず、Cを積分定数とします。$$
$$\int sin x dx = -cos x + C$$
$$\int cos x dx = sin x + C$$
どうでしょうか。これは基本中の基本ですね。この積分公式は多分、誰もがご存じだと思います。つぎにちょっと難しいけれども基本の積分公式をまとめます。
合成関数の微分と組み合わせたもの
$$\int sin(ax + b) dx =-\frac{1}{a} cos(ax + b) + C$$
$$\int cos(ax + b) = \frac{1}{a} sin(ax + b) + C$$
このあたりまではわかると思いますが、もし、もう記憶があやふやだという人は是非ともこの基本中の基本の三角関数の積分公式は覚えてください。
tanに関する公式
$$\int\frac{1}{cos^2 x} dx = tan x + C$$
$$\int\frac{1}{sin^2x} dx = -\frac{1}{tanx} + C$$
$$\int tanx dx = -\log|cosx| +C$$
二乗の積分
どんどん進めます。
$$\int sin^2 x dx = \frac{1}{2}x – \frac{1}{4}sin 2x + C$$
$$\int cos^2 x dx = \frac{1}{2}x + \frac{1}{4}sin 2x + C$$
$$\int tan^2 x dx = – tan x – x + C$$
三乗の積分
$$\int sin^3x dx = \frac{1}{3}cos^3x – cos x + C$$
$$\int cos^3 x dx = – \frac{1}{3} sin^3x + sin x + C$$
$$\int tan^3 x dx = \log|cosx| + \frac{1}{2cos^2 x} +C$$
四乗の積分
$$\int sin^4 x dx = \frac{3}{8}x – \frac{1}{4}sin 2x + \frac{1}{32} sin 4x + C$$
$$\int cos^4 x dx = \frac{3}{8}x + \frac{1}{4} sin2x + \frac{1}{32} sin 4x + C$$
他の関数との積の場合
$$\int x sin x dx = – x cos + sin x +C$$
$$\int x cos dx = x sin x + cos x + C$$
$$\int \mathrm {e}^{x} sin x dx = \frac{1}{2} \mathrm {e}^{x}(sin x – cos x) + C$$
$$\int \mathrm {e}^{x} cos x dx = \frac{1}{2} \mathrm {e}^{x} (sinx + cos x ) + C$$
三角関数の逆関数の場合
$$\int \frac{1}{sin x} dx = \frac{1}{2} \log \left|\frac{1 – cos x}{1 + cos x} \right| + C$$
$$\int \frac{1}{cos x} dx = \frac{1}{2} \log \left| \frac{1 + sin x}{1 – sin x} \right| + C$$
$$\int \frac{1}{tan x} dx = \log |sin x | + C$$
逆三角関数の場合
$$まず、逆三角関数とは次のようなものをいいます。$$
$$\arcsin x = sin^{-1} x$$
$$\arccos x = cos^{-1} x$$
$$\arctan x = tan^{-1} x$$
$$ではその積分の公式は次のとおりです。$$
$$\int \arcsin x dx = x arcsinx + \sqrt{1 – x^2} + C$$
$$\int \arccos x dx = x arccos x – \sqrt{1 – x^2} + C$$
$$\int \arctan x dx = x arctan x – \frac{1}{2}\log(1 + x^2) + C$$
まとめ
とりあえず、これだけ知っていれば大丈夫という最低限の三角関数の積分公式をまとめてみました。証明はしていませんが、それは各自の宿題とします。しかし、三角関数の積分公式を丸暗記してもあまり意味がありません。実践での応用がなんといっても重要です。
ともかく、ひとつひとつ微積分の教科書に当たって三角関数の積分公式がなぜそうなるのか、ひととおり目を通しておくことは最低限必要です。