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行列の基本性質と計算方法をまとめてみた

行列って大学に入って初めて聞いたよ~・・・

高校ではやらなかったかもしれないが、大学で習う中では結構簡単なほうだから、頑張ってみよう!

線形代数学をやる上で、行列の計算ができないと話になりません。一昔前までは、行列は高校の学習指導要領に入っていました。しかし、現学習指導要領にはなく、大学で初めて出会う方も多いと思います。

そこで、行列の基本的な事項をまとめてみましたので、是非参考にしてみてください!

行列の計算基本性質

まずは計算の基本性質を確認しておこう!

ここではわかりやすく2行2列の以下のような形の行列をつかって基本事項を確認していきましょう。

\(\begin{pmatrix}a&b\\c&d \end{pmatrix}\)

2つの行列 \(A,B\) についてこの2つの型が同じとき\((n\) 行 \(×\) \( m\) 列などの型が同じ)ならば、行列の和・差やスカラー倍を定義することができます。

行列の和・差の性質

(ⅰ) 行列の和は以下のように定義される。

\(\begin{pmatrix}a&b\\c&d \end{pmatrix}+\begin{pmatrix}a’&b’\\c’&d’ \end{pmatrix}=\begin{pmatrix}a+a’&b+b’\\c+c’&d+d’ \end{pmatrix}\)

(ⅱ) 行列の差は以下のように定義される。

\(\begin{pmatrix}a&b\\c&d \end{pmatrix}-\begin{pmatrix}a’&b’\\c’&d’ \end{pmatrix}=\begin{pmatrix}a-a’&b-b’\\c-c’&d-d’ \end{pmatrix}\)

行列のスカラー倍

行列のスカラー倍は以下のように定義される。

\(k\begin{pmatrix}a&b\\c&d \end{pmatrix}=\begin{pmatrix}ka&kb\\kc&kd \end{pmatrix}\)

行列の計算はそれぞれ対応する行と列の数同士で計算が行われるんだな!

行列で成り立つ法則

3つの行列 \(A,B,C\) について、この3つが\((n\) 行 \(×\) \( m\) 列など)と同じ型であるとき、以下の法則が成り立つ。ただし、\(k,l\) は実数とする。

結合法則

3つの行列に関して、以下の法則が成り立つ。

\(ABC=(AB)C=A(BC)\)

簡単に証明してみましょう!ここでの計算は、文字を使うと煩雑になるので、具体的な数値で行いたいと思います。

\(\begin{pmatrix}1&2\\3&4 \end{pmatrix}\begin{pmatrix}-1&2\\3&-4 \end{pmatrix}\begin{pmatrix}1&-2\\-3&4 \end{pmatrix}\)

\(=\begin{pmatrix}23&-34\\39&-58 \end{pmatrix}\begin{pmatrix}1&-2\\-3&4 \end{pmatrix}\)

\(=\begin{pmatrix}1&2\\3&4 \end{pmatrix}\begin{pmatrix}-7&10\\15&-22 \end{pmatrix}\)

\(=\begin{pmatrix}23&-34\\39&-58 \end{pmatrix}\)

分配法則

3つの行列に関して、以下の法則が成り立つ。

(ⅰ)\(k(A+B)=kA+kB\)

(ⅱ)\((k+l)A=kA+lA\)

簡単に証明してみましょう!

(ⅰ)

\(k\{\begin{pmatrix}a&b\\c&d \end{pmatrix}+\begin{pmatrix}a’&b’\\c’&d’ \end{pmatrix}\}=k\begin{pmatrix}a+a’&b+b’\\c+c’&d+d’ \end{pmatrix}=\)\(k\begin{pmatrix}a&b\\c&d \end{pmatrix}+k\begin{pmatrix}a’&b’\\c’&d’ \end{pmatrix}\)

(ⅱ)

\(\{\begin{pmatrix}k_1&k_2\\k_3&k_4 \end{pmatrix}+\begin{pmatrix}l_1&l_2\\l_3&l_4 \end{pmatrix}\}\begin{pmatrix}a&b\\c&d \end{pmatrix}=\begin{pmatrix}k_1&k_2\\k_3&k_4 \end{pmatrix}\begin{pmatrix}a&b\\c&d \end{pmatrix}+\begin{pmatrix}l_1&l_2\\l_3&l_4 \end{pmatrix}\begin{pmatrix}a&b\\c&d \end{pmatrix}\)

交換法則

行列では、和に関する交換法則が成り立ちます。

\(A+B=B+A\)

しかし、積に関する交換法則は一般的に成り立ちません

\(AB≠BA\)

\(\begin{pmatrix}1&2\\3&4 \end{pmatrix}\begin{pmatrix}5&6\\7&8 \end{pmatrix}\)

\(=\begin{pmatrix}19&24\\43&50 \end{pmatrix}\)

\(\begin{pmatrix}5&6\\7&8 \end{pmatrix}\begin{pmatrix}1&2\\3&4 \end{pmatrix}\)

\(=\begin{pmatrix}23&34\\31&46 \end{pmatrix}\)

本当だ!!!成り立たないんだ!

ただし、この交換法則が成り立つ場合もあります。

ポイント

以下のような場合に行列において積に関する交換法則が成り立つ。

(ⅰ)正方行列\(E\)

(ⅱ)零行列\(O\)

(ⅰ)正方行列 \(E\) について・・・

\(E=\begin{pmatrix}1&0\\0&1 \end{pmatrix}\)

よって、\(AE=A=EA\) より交換法則が成り立つ。

(ⅱ)零行列 \(O\) について・・・

\(O=\begin{pmatrix}0&0\\0&0 \end{pmatrix}\)

よって、\(AO=O=OA\)より交換法則が成り立つ。

\(E\) と\(O\) は特殊な行列で、何かと鍵になりそうだな。なんか掴めた気がする!!

良い着目点だ!単位行列と零行列は行列の計算や法則性ではかなり重要な役割を果たすから要チェックだぞ!

特別な行列については、できれば動画でもしっかりと復習をしておきましょう!

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